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貯金が増えたのか、相場で増えたのか?資産増減を分解する月次記録表

月末の資産が増えていても、生活費を抑えて貯められたとは限りません。株価が上がった、為替が動いた、今まで集計していなかった口座を追加した、といった理由もあります。

月初と月末の差を、生活収支・運用・集計上の調整へ分けて照合すると、翌月に何を見直すべきかが分かります。月次の資産公開のような残高表に、増減の理由を付けるための方法です。以下の金額は全て架空です。

同じ範囲・同じ基準で残高を測る

最初に、対象となる家族、口座、資産、負債を固定します。現預金と証券だけなら「金融資産」、そこから対象負債を引くなら「対象範囲の純資産」と名称を分けます。住宅などを含まない表を、全財産の純資産と誤解しないようにします。

評価日は月末、休日なら採用する終値の日、外貨の換算レートと出典も決めます。未決済の売買がある場合は、受渡前の現金・証券・未収未払をどの基準で扱うかそろえます。異なる日付の残高を混ぜると、入出金が途中で消えたり二重になったりします。

記録範囲
対象者・口座:
含める資産/含めない資産:
対象負債とその残高:
評価日・価格の基準・為替の基準:
未決済取引の扱い:
前月から範囲・評価方法を変えたか:

口座移動と、資産が増える取引を分ける

銀行から証券口座へ10万円を移しても、両方を集計していれば資産は増えません。現金で株を買う、株を売って現金にする操作も、資産の形を変えています。

取引 集計範囲の中での扱い
自分の銀行から証券口座へ振替 内部移動。新しい収入にしない
株式の購入・売却 現金と証券の交換。売却代金全額を利益にしない
配当を受け取り、再投資 配当収入と購入を別記。再投資を二度目の増加にしない
借入と元本返済 現金と負債が同時に変化。純資産では元本分を相殺
給与から生活費を引いた残り 対象範囲に残った生活収支の純増として記録

返済時の利息は元本と分けます。証券口座だけを対象にする表なら、銀行からの入金は範囲外からの資金流入になります。どちらの分類も、最初に固定した範囲との関係で決まります。

架空例:純資産が13万円増えた理由

円建て資産だけを対象とし、未決済取引や集計範囲の変更はない例です。

横に長い表は、左右にスクロールして確認できます。

残高 月初 月末 増減
現預金 1,000,000円 1,050,000円 +50,000円
証券の時価 2,000,000円 2,060,000円 +60,000円
資産合計 3,000,000円 3,110,000円 +110,000円
負債残高 500,000円 480,000円 −20,000円
純資産 2,500,000円 2,630,000円 +130,000円

この月の取引・変動を、次のように仮定します。

  • 給与等から生活費を引いて80,000円が残った。配当と借入元本返済は含めない。
  • 税引後配当を10,000円受け取った。
  • 現金20,000円で証券を追加購入した。
  • 借入元本を20,000円返済した。
  • 証券の当月の値動きによる損益は+40,000円だった。

現預金は、1,000,000+80,000+10,000−20,000−20,000=1,050,000円。証券は2,000,000+20,000+40,000=2,060,000円です。

純資産の増加は、生活収支80,000円+配当10,000円+値動き40,000円=130,000円と説明できます。追加購入と元本返済をもう一度「貯蓄額」として足すと、同じお金を二重に数えます。

評価損益の累計を、その月の利益にしない

証券会社が表示する「取得価格からの評価損益」は、当月の値動きとは違います。月初からすでに含み益があったなら、月末の含み益全額を当月の増加へ入れません。

売買がある月は、月初の時価、期間中の購入、売却、月末の時価をつなげます。売却益を別に足すなら、その利益が時価増減の計算にすでに含まれていないか確認します。配当込みの損益指標を使う場合も、配当を別途加算しないようにします。

配当の記録は証券会社・通貨別の配当金管理表と明細IDで結びつけられます。税や費用は「控除後の運用損益に含める」か「別欄で引く」かを統一します。

外貨は、価格と為替の計算順を固定する

途中売買や配当がない、数量一定の例なら、円の評価額は「数量×現地価格×円換算レート」です。次の分解は、価格と為替の同時変化分を為替側へ含める方法です。

価格要因 = 数量 ×(月末価格 − 月初価格)× 月初為替
為替要因 = 数量 × 月末価格 ×(月末為替 − 月初為替)
円評価額の増減 = 価格要因 + 為替要因

架空の10単位を保有し、価格が100ドルから110ドル、為替が140円から145円になったとします。月初は140,000円、月末は159,500円。価格要因14,000円と為替要因5,500円で、増加19,500円に一致します。

両方を月初の値だけで計算すると、同時変化分が抜けます。分解の順序で各要因への割当ては変わるので、毎月同じ方法にします。途中売買がある場合は、この数量一定の式をそのまま使わず、取引区間ごとに分けるなど追加の計算が必要です。

分からない差額を、相場の利益に押し込まない

まず生活収支と配当が確認できても、残差の全てが相場要因とは限りません。手数料、未記録の入出金、評価日のずれ、口座追加などを含む可能性があります。

資産増減の照合表
月初資産/月初負債/月初純資産:
月末資産/月末負債/月末純資産:
純資産の増減:
生活収支等の純増減(運用収入と元本移動を除く):
確認できた運用損益(配当・価格・為替・税費用の扱いを明記):
集計範囲変更など、確認できた調整:
未説明差額 = 純資産増減 − 上の三つの合計:
差額の候補原因/確認先/次回持越し:
今月の増減を説明する一文:

差額が残ったらそのまま表示し、推定の運用益を確定値のように書きません。給与や特別費の月ずれが原因なら、年間特別費と月次家計簿をつなぐ表も確認します。

13万円増えた月を「貯蓄が好調」とひとまとめにせず、「生活収支で8万円、配当で1万円、値動きで4万円」と説明できれば、家計の改善と相場の影響を分けて振り返れます。

作成日:2026年10月7日。残高・取引・為替は架空の計算例です。税務申告用の損益計算や投資成績の利回り計算とは目的が異なります。

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